巨大な通貨マーケットは、一般個人には理解困難な市場ですが、情況を細かく分類して簡単な表現で説明すれば、一般個人にも外国為替マーケットのことがお分かりいただき、金融のしくみである外国為替市場を将来の投資にご利用いただけるでしょう。

意識していないかもしれませんが、誰もが、外国為替マーケットと無関係ではありません。あなたのポケットにお金が入っていることは、通貨の投資者であることを意味し、日本円を持っていれば、日本円の投資者ということになります。日本円を財布や銀行預金として持っていれば、また、株式や債券などを日本円で持っていれば、日本円の投資者ということになります。

日本円だけを持っている人は、日本円以外のその他の国の通貨は持たないという選択をしたことになります。株式、債券、銀行預金、その他の投資は、その通貨の価値に依存した投資になります。日本円の場合は日本円の価値に依存します。日本円の価値は上がったり下がったりしますから、為替レートの変動によって、あなたの投資ポートフォリオの価値は変化したことになり、それだけあなたの財産状態は変化したことになります。このことを考えれば、抜け目のない投資者の多くが、流動性の大きな外国為替マーケットを利用して、為替レートの変動を自己の有利に利用して通貨を取引し、利益を上げても驚くにはあたりません。

外国為替マーケットは、その始めから種々の変化を経験してきました。長い間、米国とその同盟国は、ブレトン・ウッズ協定の下に、通貨交換レートを各国の所有する金の量に関連づけたシステムを維持してきましたが、1971年夏、ニクソン大統領が金保有量との関連をやめ、変動為替レートが始まりました。現在では、ある通貨の需要と供給、または相対的な価値が為替レートを決定する原動力になっています。共産主義の崩壊、アジア経済やラテン・アメリカ経済の劇的な成長など、障害の排除や機会の増大が投資家への新しいチャンスを創り出しています。

貿易や外国投資の増大によって、すべての国の経済が益々相互関係を持つようになりました。インフレーションや失業率、更には、突然のニュース、自然災害、政治的不安定など、定期的に発表される世界中の経済指標等が、ある通貨を保有することの価値を変化させ、その通貨の国際的需要・供給に影響を与えます。従って、米国ドルに例を取れば、世界の通貨に対して米国ドルは絶えず変動しています。今日くもの巣のように広がった世界貿易やその結果変動する為替レートがもたらした世界最大のマーケット、それが、外国為替のマーケットです。巨大なマーケットが作った、最も効率的で公平かつ流動的なマーケットです。

外国為替のマーケットは、銀行間、ディーラー間の通貨マーケットです。しかし、外国為替は、伝統的な意味での「マーケット」ではありません。取引活動の中心拠点というものがないからです。取引は、世界中の何千という場所で、電話やコンピュータ端末を通じて行われるのです。銀行間の直接マーケットは、通貨決裁権限を持ったディーラーが当事者となってトレーディングを行うことによって成り立っています。このディーラー取引が、外国為替取引の大きな部分を構成しています。ディーラー間の取引がマーケットの最大部分を占めており、これによって為替市場があらゆるマーケットの中で、最も流動的なものになっています。

外国為替市場は、毎日約1.5兆ドルの取引があり、世界最大の金融マーケットです。伝統的に、外為市場は、銀行、金融マネージャー、大手金融機関だけが利用可能でした。長い間、米国連邦準備銀行を含む、これら金融機関は、通貨取引を通じて大きな利益を上げてきました。この成長マーケットは、銀行、中央銀行、ブローカ、輸入業者・輸出業者等の顧客など、通貨トレーダーの世界中のネットワークにつながっています。今日、外国為替マーケットは、銀行や機関投資家だけでなく、個人投資家にも利益の機会を提供しています。